南アフリカの光と陰 その1

Works — yam @ June 16, 2010 11:37 pm

table_mountain

ワールドカップの開催地である南アフリカを一度だけ訪れたことがあります。

2008年にケープタウンで開催された、国際デザインコンファレンス “Design Indaba” に講演者として参加するためでした。主催者から、ロボットの実演の依頼があり、fuRoのエンジニアも含め5人+ロボット1台(ロボットビークル小型実験機Halluc II)のチームで遠征しました。

ケープタウンは、とにかく遠い所です。先方から指定されたエミレーツ航空で行くと、成田を出発して、関空→ドバイ→ヨハネスブルグを経由してケープタウンまで、片道約30時間!。

私たち自身の移動だけでなくロボットの輸送も大変でしたが、現地のホスピタリティは素晴らしいものでした。ケープタウンは、テーブルマウンテンと呼ばれる高さ千メートルの屏風のような山を背景にした美しい街です。ウェルカムパーティに始まって様々な歓迎イベントがあり、小旅行あり、ホテルも食事も申し分なし。講演者には、運転手付きクルマ(プリウス!)がそれぞれ1台ずつ用意され、滞在中いつでもどこへでも連れて行ってくれました。

展覧会とファッションショーが併設されたコンファレンスは、入念に準備され、アメリカ、ヨーロッパからも大勢のデザイナー達が参加していました。IDEOの創始者の一人ビル・モグリッジさんや、東京で開催中のポスト・フォッシル展をディレクションしたリー・エデルコートさんなどともゆっくり話すことができ、たくさんの友人ができました。

上の映像は、お別れパーティーの会場となったクラブでのHalluc IIの実演風景です。観光客だけではとうてい行かれないような隠れ家的なクラブで、ニューヨークから来たDJ Spooky との共演でした。サブリミナル・キッドと異名を取るSpookyの派手なパフォーマンスと、その横でノートパソコンのキーを叩き続けるfuRoの研究員O君とのコントラストが絶妙。ダンスフロアの真ん中で繰り広げられる、日本から来た異形のマシンの踊りに、現地の人たちも大興奮。みんなグラスを持って踊っているので、マシンに飲み物をぶっかけられないかと、ハラハラしながらのパフォーマンスでした。

アパルトヘイトの廃止から20年、鉱物資源への依存から脱却し、文化とテクノロジーの充実に努め、年平均4%の経済成長を続けてきた国の活力を感じた一週間でした。ワールドカップに向けて、急速に都市環境が整備されつつある一方で、しかし、この国の陰の部分も少なからず目にしました。そのあたりは次で紹介したいと思います。

南アフリカの光と影 その2へ

3 Comments »

  1. [...] This post was mentioned on Twitter by 福武 忍, Shunji_Yamanaka 山中俊治. Shunji_Yamanaka 山中俊治 said: 「南アフリカの光と陰 その1」2008年にケープタウンで開かれたDESIGN INDABAに参加した時の南アの印象です。残念ながらワールドカップネタではありません。 http://ow.ly/1Zgzi [...]

  2. 慶応大学大学院の赤羽です。
    Halluc IIのダンス、最高です。

    実は、3年ほど前に未来館で展示されているHalluc IIに魅了されて、そのまま未来館での展示ボランティアに応募しました。その後半年ほど、Halluc IIの魅力を来場者の方々へ説明していました。

    その日々をこの映像で思い出しました。
    南アフリカの影の部分のブログも楽しみにしています。

    Comment by 赤羽 — June 17, 2010 @ 12:54 am
  3. いつだったか、ニュースで見かけました。
    よく作れるなぁと思いながら見てましたが、これも山中さんが関わってらしたんですね。
    有機的なカーブがどことなくtagtypeキーボードを連想させます。

    確か将来的には災害救助に役立てたいと報じられていた様に記憶していますが、どのくらいの凸凹道を歩けるのでしょうか?

    Comment by tq3 — June 17, 2010 @ 5:22 pm

RSS feed for comments on this post. TrackBack URI

Leave a comment

Copyright(c)2017 山中俊治の「デザインの骨格」 All rights reserved. Powered by WordPress with Barecity