亀の肩甲骨はどこ?
骨展に出品された湯沢英治さんのアカミミガメの骨の写真です。
これを見ると、カメの甲羅は背骨とつながっていて、左右にくし状に広がっているので、肋骨から進化したものなんじゃないかと想像できます。でもそう簡単じゃないらしい。
前足の付け根に、小さなしゃもじのような形の骨が突き出ていていますね。どうやら肩甲骨らしいのですが、これが発生学や古生物学の先生たちを悩ませました。
私たちの肩甲骨は後ろから触ることができる、つまりかご状の肋骨の後ろ側(外側)に乗っかっています。このことは亀以外のは虫類でも、その祖先の両生類でも同じなので、もし亀の甲羅が肋骨がつながってできたのなら肩甲骨は甲羅の外側にあるはずです。ところが写真のように甲羅の内側にある!?。亀の甲羅は、進化の歴史の中でもかなり突然の登場であり、古生物学の先生達にとっても悩みの種だったそうです。
で、昨年、中国南西部で発見された2億2000万年前の化石によってミッシング・リンクが埋まりました。
加えて、今年の7月にはカメの発生過程で肩甲骨が内側に引っ張りこまれるプロセスが解明されました。その研究チームのリーダーが、2月に私と対談する理化学研究所の倉谷 滋さんです。上の写真がお気に入りだった私としては、カメの話ばかりしてしまいそう。
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※こちらはこの写真を撮った湯沢さんのトークショーのお知らせです。
『BONES――動物の骨格と機能美』著者トークセション
動物の骨はこんなに面白くて美しい!
■日時:12月13日(日)
1回目13:00~14:30、2回目16:00~17:30
■出演:湯沢英治(写真家)、東野晃典(横浜市立野毛山動物園獣医)
■会場:紀伊國屋書店新宿本店 9階会議室
■定員:先着各30名様(お申し込み先着順。定員になり次第受付終了)
■整理券前売所:紀伊國屋書店新宿本店4階カウンター
◎入場料:500円(入替制)
◎ポストカード2枚プレゼント付き(ハブ、シロクマ)
■お問合せ:代表|03-3354-0131(10:00~21:00)