とろいのが優雅に見える家

Off — yam @ September 19, 2009 3:38 am

hasting_house

ソルトスプリング島のB&Bにいます。

ここは1980年代までイギリス人夫婦が暮らしていた館を改装したものらしいのですが、マナーハウスと呼ばれる本館のほかに、果樹園や、数頭の羊が飼われている小さな牧場、花を育てる庭園などがあります。元は農作業のための小屋なども改装されて、本館とともに宿泊施設として利用されています。小屋の前には、大きなリンゴの木があって、青い実を付けているのが絵のようです。

全体としては、決して洗練の極みにある訳ではなく、むしろ素朴な農家そのものなのですが、感心するのは、何とも言えない品があることです。所狭しとおかれた調度品も、よく手入れが行き届いていて、ずっと昔からそこにあったのだろうと思わせる安心感があります。

なだらかな起伏が心地よい庭の芝生も、雑草がないわけでもなく、結構適当に刈り込まれているのですが、密度があってムートンのようにふかふかです。うちでは芝刈りは私の役目なのですが、どうやったらあんな芝生になるのか、見当もつきません。

スタッフも、物腰が緩慢で、気が利くとは言いがたいのですが、何かお願いすると「おおっ、もちろんです」と大げさに驚いてみせながら、にこやかに対処してくれます。日本の上質な宿に見られる、きめの細かい洗練された応対からはほど遠い、いわばある種の「とろさ」が、なぜかここでは優雅さに見えるのです。

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