ニュートン力学的直感

SFC,Works — yam @ August 7, 2009 12:08 am

morph3_arm

今、慶應の山中研究室の学生達に、夏休みの特別研究プロジェクトとして「物理法則を実感できるプロダクト(実験キット等)をデザインする」という実験授業をやっています。

朝から晩まで一日7.5時間で3日間(途中に10日の制作期間あり)の集中授業なのですが、初日は、学生全員で「ニュートン力学」のおさらい。

SFCというところは半分は文化系で、理系(らしき)環境情報学部でさえ小論文と英語だけでも受験できるし、物理が嫌いな人は大学に入ってからも避けて通れてしまいます。でもそれじゃ、はっきり言ってプロダクトのデザインは無理。プロダクト・デザイナーには最低限の力学的な直感と、それを支える数学は必要だと思います。

で、この際、基礎の基礎からやりなおすんだけど、いまさら座学をやってもつまらないので、比較的物理が得意な学生と不得意な学生を取り合わせて、グループワーク形式で自主学習させます。

あちこちで、「仕事っていうのは力×距離」「じゃあ、じっとがんばってるのは仕事じゃないんだあ」みたいな初歩的な議論が飛び交います。面白いというか嘆かわしいというか。

しかし、一応大学生にもなると、ただ公式を覚えてわかった気になるほど素直じゃないから、「運動量と運動エネルギーって、何でふたつあるの? どっちがモノの勢いをうまくあらわしてることになるんだ?」みたいな哲学的な話にもなる。これにちゃんと答えるのは意外に難しい。私が「やっと17世紀の哲学者達の議論に追いついたね」などとちゃちゃを入れると「ひー、後300年分かあ」。

学生達は、目下それぞれのグループの理解に基づいた「物理法則を実感できるプロダクト」を制作中で、10日に成果が集合します。

写真は、morph3のアーム。彼らがこういうものをデザインできるようになる日は遠い…。(撮影:清水行雄)

0 Comments »

No comments yet.

RSS feed for comments on this post. TrackBack URI

Leave a comment

Copyright(c)2017 山中俊治の「デザインの骨格」 All rights reserved. Powered by WordPress with Barecity