からくリミックス報告(1) 能面とのっぺらぼう

Bones — yam @ June 1, 2009 4:05 am

yumihiki5

土曜日に行われた「からくリミックス」は大変な盛況でした。

会場がこういうイベントを想定していない場所(21_21のロビーエリア)なので、プロジェクターなどの明るさが十分ではなく、反響が強くて聞こえにくいなど、必ずしも良いコンディションではなかったと思います。

にもかかわらず用意した80席をはるかに上回り、会場を見下ろせる階段の上までびっしりと立ち見で参加していただいた皆さん、本当にありがとうございました。

尾陽木偶師九代目 玉屋庄兵衛さんと明和電機社長 土佐信道さんのお二人は、私が以前からとても尊敬している方々であり、「骨」展にとっても重要なお二人なので、少々緊張しました。しかしながら、お二人の素材やしくみについてのこだわり、創作への姿勢などが、見事にかみ合って、私はいなくても良いのではないかと感じるほどの推進力で話が進んでいきました。

九代目は、名作「弓曳き童子」と「茶運び人形」を名古屋からご自身で持ってこられました。どこへ行くにも人形はご自分で運ばれるとか。

二体のからくりの精妙な動きを披露しながら、特に顔へのこだわりをていねいに説明されました。能面の技法で作られた顔は、わずかな傾きで刻々と表情が変わります。結局は「見る人の心の投影」なのですが、それを巧みに誘うための繊細な技法が三百年にわたって積み上げられているのです。

新作の「弓曳き小早舟」の顔には目鼻がありません。その代わりほんの少しだけ鼻の部分が高くしてあります。それだけのことで動きと共に生き生きとした表情が生まれるのは、魔法のようです。このミニマルな表情について、ありがたいことに次のように説明していただきました。

「山中さんの絵には、のっぺらぼうなのに表情があった。それを見て、つくってみたくなったです」

ちなみに土佐さん「実は、サバオの顔も能面を参考にした」そうです。

からくリミックス報告(2)に続きます。

1 Comment »

  1. [日記][デザイン]「骨」展に行ってきました。…

    土曜日に「骨」展に行ってきました。 この展覧会を知ったきっかけは形を描こうとしてはいけないという記事で衝撃を受けたことでした。形を描こうとしてはいけない。構造を描くこと…

    Trackback by A Day In The Life — June 2, 2009 @ 11:41 am

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