
尾陽木偶師(びようでくし)九代、玉屋庄兵衛さんにお会いしたのは2006年の春、まだ肌寒い頃だったと思います。国立科学博物館の鈴木一義さんがリーダーだった「地域における『ものづくり』の強みに関する調査研究会」で、仕事場を訪ねる機会をいただきました。

尾陽木偶師(びようでくし)九代、玉屋庄兵衛さんにお会いしたのは2006年の春、まだ肌寒い頃だったと思います。国立科学博物館の鈴木一義さんがリーダーだった「地域における『ものづくり』の強みに関する調査研究会」で、仕事場を訪ねる機会をいただきました。

一冊の写真集がある。漆黒の背景に浮かび上がる様々な生物の骨格。生きているときの配列が忠実に再現された白色の物体は、しなやかに連動し、伸び上がり、走り、滑空する。骨という構造体が抽出されることで、生物の持つ躍動感がいっそう強調されているかのようだ。
生物の骨格は、その優美な外観と見事に連携している。全てが一つの細胞から分化して生成されるプロセスを思えば、その関係が不可分なのも当然かもしれない。しかし人工物のそれはどうだろうか。振り返れば、骨格を隠蔽すべく見ばえを恣意的につくってきた行為こそが、デザインだったのではないかという疑念もわく。それでも、デザインの根幹はその製品の骨格にあるのではないかという期待もある。

私のアトリエは、小さな山の中腹にあってとても眺めの良いところです。周りは自然公園や大学の演習林などに囲まれているので、春になるとたくさんの生き物が来襲します。まずウグイスの声が聞こえて、様々な鳥が庭先に来るようになります。いろいろな大きさのよくわからない鳥がやってくるので、「とりぱん」の世界ですね。
そしてまもなく、アリやムカデが屋内に進入してくるようになります。スズメバチが、毎朝周回に来るようになるのも今頃。春先のスズメバチは、攻撃性はほとんどないのですが、越冬した女王なので異常に大きくてびびります。
家の中では、冬の間どこにいたのか、脚の差し渡しが6センチぐらいはありそうな蜘蛛が、壁や天井に現れます。 (more…)

ここのところ、多くの時間を5月からの展覧会「骨」の準備に費やしています。今日も朝からずっと展示プランの打ち合わせでした。今、なぜ「骨」なのでしょうか。
新しくプロダクトをデザインするときに、私は製品の構造を考えることから始めます。デザイナーという仕事は、いきなりスケッチを描き始めるように思われているかもしれませんが、それはもう少し後。まずは既存のプロダクトを調べ、人が使っているのをじっくり見る事に時間をかけます。それと同時に、すでにあるものを分解して研究し、製造の現場に足を運んだりしながら、その製品の骨格の理想型を探ります。

「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。」
古今和歌集の編者の一人、紀 貫之(きのつらゆき)は「土佐日記」という日記を書き始めるに当たって、書き手が女であるかのように擬装し、自分のことは「ある人」として登場させ日記を書き連ねました。いまさらながら、私もしてみむと思ったわけですが、気恥ずかしいものですね。人のふりしたくなる気持ちもわかります。
これまで自分からは、ほとんどネット上で発言したことのない私ですが、やってみようと思ったのは、5月に私のディレクションによる展覧会が開かれることになったからです。
その展覧会のタイトルは「骨」。12組の作家が参加し、5月29日から8月30日まで東京ミッドタウンにある21_21_DESIGN SIGHTで開催されます。