あの会社じゃないと作れない

Sketches — yam @ 4月 9, 2010 3:30 pm

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久しぶりに娘を仕事の打ち合せに連れてゆきました。18年前に初めて彼女をつれて会議に出た時には、「打ち合せに赤ん坊抱いてくる人初めて見た。」って、まだ若手建築家だった妹島和代さんに笑われたのを憶えています。普通に考えればあり得ない公私混同なのでしょうね。

その娘も随分大きくなったので、ミーティングではSFCの学生の一人に見えたのではないでしょうか。アトリエに戻ってから娘がこんなことを言いました。

「今お父さんが作ってる機械って、あの会社じゃないと作れないんじゃないかと思った。」

「なんでそう思う。」

「お父さん『こういう事はできないかな』って何度も言ってたじゃん。それがどのくらい無理なのことなのかは私にはわからないけど、相当せっぱ詰まってる状況だって言うのは私でもわかった。後3日でとか言ってるし。それなのに日南の人たちは全員で、それをやる事を前提にどうやったらやれるか考えてる感じだった。すごいいい人たちだなあって。」

18年前の打ち合わせのときはただ私にしがみついていただけの娘に、自分がいかに恵まれているかを教えられた感じです。

一昨日の試運転に成功した連続抄紙機プロトタイプ「水より生まれ、水に帰る」は、morph3Flagellaを一緒に開発した、信頼できるパートナーである株式会社日南が製作しています。いろいろ無茶を聞いてもらいながら、展示当日まで、つきることのない完成度との戦いを続けます。

2 Comments »

  1. お嬢様の感受性がすばらしいですね。
    参加の立ち位置が分かりませんが、少なくとも「岡目八目」で無いならどちらかに偏る目線が生まれがちです。会話を客観視できその先の答えに近づく回答が生まれています。
    理系な親御さん(笑)のお嬢様は国語力もすごそうですね!
    なんかいい話です。

    コメント by co — 4月 10, 2010 @ 11:48 pm
  2. coさん
    コメントありがとうございます。

    将来の希望職種が近いので、ちょっと手伝わせてみています。
    役には立ちませんし、国語力なんてとんでもないですが。
    それでも、教えられることもあるんだなと少し感動してしまったので
    親ばかエントリーを上げてしまいました。
    本人に見せたら「なんか普通のブログみたい」だと。

    コメント by yam — 4月 12, 2010 @ 7:12 am

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