膝詰め談義
最近どうも、医学生物学系の人と話すのが楽しくて仕方がない。それに目覚めさせてくれたのは養老先生でしたが、先日の倉谷さんとのセミナーも本当に刺激的な体験でした。
今度は、医学博士の大谷俊郎先生とトークショーを行います。大谷先生の専門は整形外科。慶應病院のスポーツクリニック担当でもある大谷先生は、特に関節の権威で、皆さんも良くご存じの有名プロスポーツ選手の膝を、幾例も手術で回復させた、知る人ぞ知る名医です。
写真は、美術品のように美しいと大谷先生が紹介してくれた最新の人工膝関節です。酸化ジルコニウムという耐摩耗性に優れた特殊合金製の深いグレーが何とも気品があります。すばらしい光沢ですが、これは通常の工業製品の鏡面仕上げとはレベルの違う高精度研磨がかけられているからです。わずかな凹凸でも長年使っているうちに不具合に成長するので徹底して平滑にしてある。まさに機能美ですね。医療用品は基本的に「展示」を行わないのですが、骨展では、大谷先生の力添えで展示することができました(これも)。
今回は、SFCのエクスデザイン展覧会の会場イベントであるトークセッションのお相手として、指名させていただきました。当日の話題については、出たとこ勝負なのですが、先日打ち合わせをしたときに、会場で詳しく聞いてみようと思った話題をいくつかばらしますと、こんな感じ。
「膝関節は、少し隙間があった方が良く回る」「人の体に埋め込むものは、品質管理上、梱包も普通じゃない」「膝の専門家は、軸受けのエンジニアと話が合う」「生物学的製剤」「人工膝関節でスポーツは可能か」「外角低めをホームランする膝の使い方」などなど。
ヒンジや軸受けなどの回転ジョイントは、プロダクトのデザインにおいても、キーポイントのひとつ。今からわくわくします。
トークショーの日時は3月14日(日)16:00〜17:30、場所は六本木アクシスギャラリー。無料ですが、席の事前申し込みが必要です(定員50名)。詳しくはこちら
(写真撮影:吉村昌也)
お久しぶりです。
人工の膝関節という医療器具にも当然デザインはあるのでしょうが、このように見せていただくのは初めてですし、また美しいですね。
ちょっとびっくりです!
膝ではありませんが、股関節が先天的に悪い私には、別の意味でも興味があります。機能だけではないのですね。
powaroさん
お久しぶりです。お元気ですか。
このパーツは骨の末端にかぶせられて、体内に埋め込まれてしまうものなので、いわゆるスタイリングは全く施されていません。
その意味では「機能だけ」なのです。