入り口は向こう側です
日曜日のエントリーの続きになります。工事中の「骨」展会場に行ってみると、エルネスト・ネトの作品の組み立てが終わっていました。
今回のネトさんの作品は、いつものようなインスタレーションではなく、自立する小屋のようなものです。21_21の中で見ると巨大ですが、軽いので移動可能です。位置はすんなり決まったのですが、入り口をどの方向にするかで悩みました。
数人に中に入ってもらって、外から眺めてみます。アーチ状の木の骨格に囲まれて、半透明の皮膚の向こうにぼんやりと見える人影は、未知の生命圏の住人のようです。
その光景に見とれながらふと思いました。入り口なんかない方がいい。
そばで待機していた、ネトさんの設置専任スタッフの方に聞きました。「もしかしたら、ネトさんはいつも入り口を隠して展示するのではありませんか。」「ええ、そうですね。広島でも豊田でも見る人が近づく方向からは反対側のわかりにくいところに入り口がありました。」ネトさんと何かを共有できた気分になりました。
ご来場いただいた方はネトの作品の向こう側に回って入口を捜してください。