
ここのところ、多くの時間を5月からの展覧会「骨」の準備に費やしています。今日も朝からずっと展示プランの打ち合わせでした。今、なぜ「骨」なのでしょうか。
新しくプロダクトをデザインするときに、私は製品の構造を考えることから始めます。デザイナーという仕事は、いきなりスケッチを描き始めるように思われているかもしれませんが、それはもう少し後。まずは既存のプロダクトを調べ、人が使っているのをじっくり見る事に時間をかけます。それと同時に、すでにあるものを分解して研究し、製造の現場に足を運んだりしながら、その製品の骨格の理想型を探ります。
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「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。」
古今和歌集の編者の一人、紀 貫之(きのつらゆき)は「土佐日記」という日記を書き始めるに当たって、書き手が女であるかのように擬装し、自分のことは「ある人」として登場させ日記を書き連ねました。いまさらながら、私もしてみむと思ったわけですが、気恥ずかしいものですね。人のふりしたくなる気持ちもわかります。
これまで自分からは、ほとんどネット上で発言したことのない私ですが、やってみようと思ったのは、5月に私のディレクションによる展覧会が開かれることになったからです。
その展覧会のタイトルは「骨」。12組の作家が参加し、5月29日から8月30日まで東京ミッドタウンにある21_21_DESIGN SIGHTで開催されます。
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