美しい義足をめざして

Bones,SFC — yam @ 4月 14, 2009 10:03 am

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昨日発売のアエラに勝間和代さんとの対談が掲載されています。その中で話題になっている義足のひとつがこれです。坂井さんのブログで紹介いただいたものとは別バージョンです。「骨」展にも参考出品の予定。以下は、慶應大学の私の研究室で進めている「美しいスポーツ用義足」プロジェクトの展示用解説文から。(写真:清水行雄)

アスリート用下腿義足の研究

通常、下肢切断者が装着する義足は人間の足に近いかたちを目指して作られる。しかし、2008年に開催された北京パラリンピックでは、「走る」「跳ぶ」「漕ぐ」などそれぞれの競技に特化した機能的な形状の義足が注目を集めた。パラリンピックで活躍するスプリンターたちが見せる板バネでできたその「足」は、義足使用者だけでなく、すべての人に新しい身体の美しさを発見させるものであった。

本研究では、その機能美を人と人工物の関わりにおける新しい美意識の萌芽と捉え、さらに洗練させるべく、スプリンター用の下腿義足のモデルを製作した。現状の競技用義足は、障害者競技の知名度の低さや汎用性の少なさから、依然として工業製品として完成度が高いとは言えず、改善の余地が多くある。従来はむき出しであったねじやボルトを一体化させ、統一感のある外観を目指している。

このモデルの製作にあたり、実際に北京で活躍したアスリート、義肢装具士、メーカーの技術者の方々にご協力を頂いた。今後、新たな構造、素材、製造方法を模索しながら、2012年のロンドンパラリンピックで活躍できるような義足を目指したい。

1件のコメント »

  1. […] 慶應の私の研究室では、アスリート用義足のデザインを研究しています。今日は北区にある障害者スポーツセンターに、義足ランナーたちの練習を見に行きました。この4月から新しく研究室に加わった学生メンバーを、義足アスリートの皆さんに紹介するためです。 […]

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