巨大マンタのあたまびれ
沖縄の美ら海水族館は、何時間いてもあきない場所の一つです。大水槽を泳ぐ数体のジンベイザメが有名ですが、同じ水槽の中で巨大なマンタ(ナンヨウマンタ)に会えるのも楽しみの一つ。深さ10m幅35m奥行き27mの大水槽の、厚さ60センチのアクリルパネルの向こう側を羽ばたくように泳ぐ、幅4メートルのナンヨウマンタは優雅そのもの。世界で最も美しい生き物の一つと言えるでしょう。
ナンヨウマンタの口の両側には頭鰭(とうき・あたまびれ)と呼ばれるヒレがあり、これがとても面白い動きをします。このヒレは、高速巡航時には、円錐状に丸まって、口の両側に牙のように前方に突き出されていますが、方向を変える時や何かを食べるときには、下方にするすると展開され、舵と触角の役目を果たします。
頭鰭は外側に向かって巻き上げられるのですが、とても不思議な感じがします。私たちの手のひらが体の内側に向かって折り曲げられることや、いろいろな動物の手足が内側に向かって折り曲げられるのを見慣れているせいでしょうか。泳ぐ方向を変えるたびに片方ずつヒレを巻いたりのばしたりする所を見ていると、なんだか未知のテクノロジーを使った異星人の乗り物を見ているような気持ちになって来ます。
オニイトマキエイと呼ばれてきたこの巨大なエイは最近になって、オニイトマキエイManta birostris とナンヨウマンタ Manta alfredi の2種類に区別されることになりました。美ら海水族館始め日本の水族館にいるのはナンヨウマンタで、改めてオニイトマキエイと呼ばれるようになった種は、もっと巨大で滅多に人とは交流しない大回遊魚だそうです。動画は、マンタに2種類があることを発見した、オーストラリアの研究者アンドレア・マーシャルのインタビュー。頭鰭の動きがよくわかる美しい映像が連ねられています。
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