紙の耳
紙は、水に溶いた植物繊維を目の細かい網で薄く膜状にすくいあげて作ります。紙を「すく」と言い、手でやる場合には漉く、機械でやる場合には抄くという漢字を当てます。
製紙工場に行くと、連続抄紙機と呼ばれる機械の巨大な網のローラーが、水に溶けたパルプから幅1.5メートルくらいの紙を絶え間なく抄き続けます。そうやってできた紙は乾かしたりプレスされたりして、私たちがよく知る風合いと強さの紙になって行きます。生産ラインを順に追って行くと最後の方に上の写真のような、細い紙の帯が吐き出されて、うずたかく積み上げられて行く光景に出会います。
この大量の紙テープは「紙の耳」です。水から連続抄紙機によって作られる紙は、網の上に繊維を乗せて乾かしたままなので、ふちがギザギザになっています。そのふちを切り取った物がこれ。
サンドイッチ用にパンの耳を切り落とすのと同じで、紙の幅をきれいにそろえるためにギザギザを切り落としているのです。ファインペーパーと呼ばれる特殊紙も同じプロセスで作られるので、レザックやラシャ、マーメイドなどのカラフルで楽しい風合いの紙テープが余り物として排出されることになります。
通常、この大量の紙テープはすぐに溶かされ、紙の材料に戻されるのですが、今回「銀座目利き百貨街」のために特別に少し分けてもらいました。のりもついていない紙テープなので、何の役に立つのか分かりませんが、ロールに巻いて売ってみます。
このテープの特徴は片側が「抄いた」ままのギザギザになっている事。紙の風合いを楽しみ、紙を作るプロセスに想いを馳せて頂ければ幸いです。
※今朝の報告では良く売れているらしいので、既に売り切れの場合はご容赦下さい。
とっても面白かったです!(凄い人で驚きました。19時に追い出されてしまい、ゆっくり拝見できなかったのが残念でしたが。)
玉屋さんの「茶運び人形」の部品一式、iPadで動く様子を見せて頂いた後で拝見すると、格別でした。有難うございました!
皆様
山中俊治さんのコーナーは、奥の方にあります。途中のブースは素通りして、まずは直進、奥のコーナーを目指しましょう。「茶運び人形」は一点物。必見です。
紙の放出されるこの写真!!衝撃です。
ものすごくいたそうですね。
そしてこの裁ち落としはどこに行ってしまうのだろうと・・・
溶かすと再度使えることに納得しました。それはそうだ、と。
印刷工場ではすべてまた製紙会社へ戻して
再生紙として生まれ変わるのでしょうか。
今回会場でこのロール状に巻かれた用紙をみて
半身の状態で生きている紙のような不思議な気持ちになりました。
新しい紙の原料にはならなかったけれども
新しい飼い主の元で元気に暮らしてほしいと思います。
Lafieさん
いつもありがとうございます。
お見かけした瞬間に、何とも言えない安心感を憶えました。
「なじみ」ってこういう感覚かも知れませんね。
じっくり見て頂けなかったのは残念です。
ブログ記事をありがとうございました。
http://lafie.blog36.fc2.com/blog-entry-347.html
tomokoさん
ご来場ありがとうございました。
実際の紙の耳の射出機は空気を使っていて、繰り出されるテープが風に舞ってきれいですよ。
「紙の耳」はあっという間に売れてしまいました。
たくさんの人に、存在を知ってもらっただけでもうれしく思います。
昨日の夜、見に行ってきました。
茶運び人形の部品が美しくてその場にいた方(山中さんの会社の方?)に閉店後まで質問してしまいました。
実際に触らせて頂いた部品は行程ごとに表情が違っていて全て手元に置いておきたいと思ってしまったほどです。
組み立て後は見えなくなってしまう箇所まで丹念に作られていたことが驚きであり、うれしくもありました。
こんな出会いを与えて下さり、ありがとうございました。