第二次世界大戦当時の戦闘機に見る、デザインのお国柄
空が大好きな少年だった私は、中学生のころに、二次世界大戦当時の名戦闘機のミニプレーンを、シリーズでプレゼントしてもらったことがあります。翼長4センチぐらいの小さな完成模型が12機。本当に様々な形があることに目を見張り、形にお国柄のようなものがあることを、初めてはっきり意識した経験でした。
今でも印象に残っているのは、英国の名機、スーパーマリン社製のスピットファイアでした。全体に楕円を基調とした柔らかい形をしていて、全く威嚇的なところがありません。蝶の羽根を思わせる楕円形の巨大な主翼は、爆撃機迎撃のための上昇力を追求した結果らしいのですが、機体全体が柔らかい楕円カーブで覆われ、ある種の優雅さを感じさせます。
米国ノースアメリカン社製のマスタング P51 には、筋肉質の力強さがありました。圧倒的な燃料搭載量を誇っていたという機体には、どこかアメリカンヒーローのマッチョさがただよいます。そのモデルには、サメの口が塗装されていましたが、兵器に絵を描くセンスは子供心に理解しがたく、ふざけたことにしか見えなかったのを憶えています。
これらの印象的な戦闘機に比べるとドイツのフォッケウルフ Fw190 は、いかにも花がなくて中学生にはつまらない印象でしたが、今見ると率直な機能設計であり、エンジンパワーと頑丈さがそのまま外観にあらわれた剛性感のあるスタイルは、いかにもドイツ的です。
日本の三菱重製の零式艦上戦闘機(通称「零戦」)のスタイルもかなり独特の形でした。エンジンの形状がそのまま先頭にあるミニマルさ、装甲を省略したと言われるひたすらに軽く、シンプルな機体。子供心に一番かっこいいと思ったのは、愛国心というより、何かそのミニマリズムに共感するところがあったのかもしれません。
デザインは設計思想の表明です。しかし、同時にそれぞれの文化が色濃く反映されるものでもあります。
戦闘機の設計者達にとって性能が最優先であった事は間違いありません。軍の指導者達にも、見た目の印象を選定理由にする余裕はなかったはずです。にもかかわらず、現代の乗用車や家電のデザインにも通ずるお国柄がくっきりと現れます。
兵器という、幸福とは言えない目的のために設計された装置にすら、美意識と文化が宿るという事実は、人が作るという事の意味を改めて考えさせられます。
(絵は、上からフォッケウルフ、スピットファイア、零戦、マスタング)
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戦艦のデザインも面白いですよ。かなりお国柄がでてます。
けど、身贔屓じゃなくても旧日本海軍のモノが一番洗練されてるような気がします。
以前どこかで、機関車のデザインにおけるDNAというような研究を目にした覚えがあります。
満鉄あじあ号のパシナ型機関車など、とても洗練されているように感じますが、機関車にはご興味ないですか?
山中さん
こんにちわ。こちらへは初めてお邪魔しました。
空大好き、飛行機好き少年とはしりませんでした。
私も実は、空モノ大好きです。1/200サイズの模型作ってます。
お遊びの、拙ブログ(飛行機&工作)ですが、
おヒマなときは、遊びにきてくださいね。
へたくそ工作ですが、笑ってみていただけると幸いです。
EXT担当のKobatadsさんも常連コメンターです。
徳島出身のBe-1内装担当より
Flyingtak1さん
うわあ懐かしい。
レトロな外観のBe-1にカジュアルで機能的な内装は
本当に素晴らしかったと思います。
ちなみにQ45もかろうじて保持しておりますよ。
あれの内装も素敵です。
早速、ブログを拝見しました。1/200って小さいですね。
いろいろなところを飛ばせて、ミニ飛行機の冒険みたいな写真がすばらしい。
ありがとうございました。
拙ブログへのご訪問ありがとうございます。
時々遊びにいらしてください。
ワタシも、時々お邪魔させていただきます。