科学雑誌「ニュートン」がシブい
科学雑誌「ニュートン」の最近の特集がシブいです。ここ一年の特集を並べてみると
虚数 波動の正体 わかる図解細胞 雪と氷の科学 太陽系 時間とはなにか 有機化学とは何か よくわかるニュートン力学 確率 太陽光発電 原子の正体 遺伝の仕組み
どこが渋いかって?。これを1999年と比較してみましょう。
宇宙はなぜ無から誕生したのか 医療最前線 イースター島の謎に挑む ハッブル宇宙望遠鏡 人体9万キロの旅 大量絶滅 アインシュタインの時空旅行 遺伝子が解き明かす生と死 夏の夜空を楽しむ 太陽系全カタログ 地球システム 未来に残したい地球遺産
十年前のニュートンには、古代文明、恐竜、宇宙と地球、医療と生命科学など、お決まりの科学ロマンが、いかにもな言い回しで並んでいます。対して今年の特集はまるで数学と理科の教科書。最新の12月号にいたっては「円、球、そしてπ(パイ)」。しぶすぎ!
この傾向、私は好きです。夏休みの特別研究授業で、SFCの学生達にこれでも読んでおけといって渡したのが7月号の「よくわかるニュートン力学」でした。
2、3年前から、読者モニターを使って、相対論などを徹底的にわからせようという記事が目立ってきていましたが、最近は、もっと基礎からという編集方針のようです。ここまでわからせようとした方が売れるんだとしたら、日本人の学習意欲も捨てたもんじゃないですね。
ちょうど昨日、書店のNewton売り場の前で、息子と見入ったばかりでした。
結局、元素にハマっている息子のため「完全図解 周期表」という別冊ムックを購入してきました。元素は、実際の使われ方から入ると、イメージしやすいようです。
確かに少し前までNewtonは近寄り難い雑誌でしたが、最近は文系の私でも手に取ってみたい号が増えたのは、このような傾向の変化があったのですね!
私の祖父も大学教授(物理学:ケンブリッジのトリニティ卒で、ラザフォードのゼミを受けたのが誇りでした)でしたが、およそ分かりやすい講義とは無縁だったように思います。
「よくわかるニュートン力学」を教材にした山中先生の講義は、学生の興味を惹いたでしょうね。聴講してみたかったです。