養老さんのお話の続き
エキサイト・イズムに先日の養老孟司さんとの対談が掲載されました。かなりていねいにレポートいただいていますが、まだまだ他にも素敵なお話がありましたのでいくつか紹介します。
昆虫の関節はデジタル
私たち人間の関節はとても滑らかにできています。しかし、養老さんが最近、ご自身で解剖して発見したことによると、昆虫の脚の関節のすり合わせはぎざぎざだったそうです。だからきっと昆虫が動いているときには、ギーギー、パキパキととてもうるさい音がしているはずだと。これは是非聞いてみたい。
骨は一生太り続ける
骨の長さ方向の成長は、ある年齢になると止まります。でも、骨は成人になっても表面に常に新しい層を作り続け、内側から減っていくので、一生の間、少しずつ直径が大きくなっていくのだそうです。ひよこの脚に金属のリングを付けておくと、やがて成長する骨に取り込まれ、最後には骨の中にころんと落ちるそうです…。そういえば親父の遺骨、びっくりするほど太かった記憶があります。
対談終了後、控え室に戻る途中で養老さんが話してくれたこと
「先日、作曲家の久石譲さんと対談したときに、久石さんが、自分が作りたい音楽と売れる音楽とのギャップに困っていると話していました。デザインでもそういうことあるんじゃないですか。今日は僕ばかり話してしまったけど、山中さんにそういう質問をすれば良かったなあ。」
ずっと聞き役だった私を気遣って、このようにおっしゃっていただいたのだと思います。でも、本当にお話を聞いているだけで私は、わくわくし通しでした。
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*写真はINSETTO(イタリア語で昆虫)という名前の腕時計。2001年にイッセイミヤケブランドで商品化されました。(写真撮影:清水行雄)