ツリー構造に見とれる

Bones — yam @ 5月 9, 2009 5:45 pm

tree

私の仕事場の窓からは大きな樹が見えます。樹は根本が太くて上に行くに従って少しずつ枝分かれして細くなって行きます。あたりまえの光景のはずですが、つい見とれてしまいます。

根本が太くて徐々に先が細く枝分かれしていく構造は、重力に逆らいながら広く高く葉を展開するにはとても理にかなった構造です。もし根元が細くて、途中に太いところがあったら折れてしまうでしょう。

細い枝たちが作る、風通しの良い空間配置も、日光のエネルギーを広く受け止めながら、一方でその葉を冷却するためにはとても合理的。雨の日にはこの構造は集水器に変わります。上に向かって広がる枝は、葉が受ける雨水を巧みに中央に集めてきて根元に流すのです。

この構造は植物の育ち方ともフィットしています。徐々に根元を太くしながら、少しづつ枝分かれさせていくので、どんな大きさの木もしなやかで力強く、若木だからと言って嵐に弱いわけではありません。木は小さい頃から自立しているのですね。

見とれているうちに時間が過ぎてしまいました。あー原稿かかないと。写真はその樹の前で「骨」展に出品するflagellaを組み立てる山中研究室の学生達。以下はその展示用キャプションです。ネタバレのため一部検閲しました。詳しくは是非、実物を会場で見てください。

ここに展示された、骨のない生き物のようなロボットには、実は…(ネタバレのため検閲)…。慶應義塾大学山中俊治研究室では、生物らしいやわらかさを表現するためにちょっと変わったロボットを開発しました。そのしくみは、…(ネタバレのため検閲)…。フラゲラflagellaという名は、生物界で唯一回転機構が採用されている器官である「鞭毛」を意味します。

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