Mac Book Airの解剖

Bones,Mac & iPhone — yam @ 4月 12, 2009 11:42 pm

air_bone

これをやったのは約1年前、Mac Book Air が発売されて間もない頃のことです。ある記事が賛否両論を巻き起こしていたので、自分の目で確かめてみたくなり、「骨」展の企画にもきっと役に立つと信じて、新品を分解しました。

実際に分解してみて、私はこのマシン内部のあまりの美しさに息をのみました。アルミのボディの内面は工芸品のような形状と質感に仕上げられており、ツールマーク(コンピュータ制御のマイクロドリルで削りだして製作された痕跡)が見事な紋様となっています。バッテリーはボディの内壁に合わせて曲面に成型され、ネジのタップも曲面に沿って斜めに切ってあるのです。無駄かどうかなどという次元ではなく、設計の常識から言うと信じられないような美意識が内部にも行き渡っていました。

すみません、少し専門的すぎました。まあ簡単に言うとおなかの中まできれいに磨いてあったんです。この設計思想が後のMac Book Proにおいてさらに徹底されることになったのはご存じの通りですが、その時の私は強烈な「やられた」感に打ちのめされました。

写真に写っているのは私のスタッフの緒方壽人と檜垣万里子です。「分解した後、もう一度組み立ててちゃんと動いたら万里子にあげる」という約束で始めたので、全行程をビデオで記録しながら恐ろしく慎重に進められ、4時間もかけた大手術になりました。そのかいあってか元に戻して電源スイッチを入れると、いつものように起動。もし失敗していたら、今頃はめでたく、「骨」展の展示物になっていたでしょうが、残念ながらこのマシンは今も万里子さんが使っています。

6 Comments »

  1. こんにちは。昨日友人の付き添いでパソコンショップへ行った時にいろんな種類のMacのPCを見ました。一番小さい型でも20万円もするのにはとても驚きました。
    Mac Book Airも15万くらいはいっていたと記憶しています。
    パソコンショップからの帰りに別の友人に会ったとき、「こんなに値段がするのなら各パーツを安くばらばらに買ってパソコンに詳しい人に組み立ててもらったほうが安上がりだよね~」、と言ったら、「I氏(もう一人の友人)がパソコンに詳しいよ。組み立てられるよ。」と言われました。探せばすぐそばに居るものですね。
    万里子さん。。。分解した後組み立てに成功したとは。。。すごいですね。
    ちなみに私の父(大学で建築を専攻)はパソコンを分解はできても組み立てることはできないのですが、あれはいったいどういうことなんでしょうか。。。(笑)

    コメント by RM — 4月 13, 2009 @ 10:17 pm
  2. 山中です。RMさんいつもお立ち寄りありがとうございます。万里子さんはメカや電子工作の大好きな女性でマイハンダゴテを愛用しています。貴重な存在ですね。

    コメント by yam — 4月 15, 2009 @ 9:00 am
  3. […] 先日ここで、MacBook Airを分解して、ちゃんと機能するように元に戻した快挙を報告しま

  4. […] 上の写真は「MacBook Airの解剖」のときに、キーボードの裏側をめくったところです。良く元に戻ったものです。 […]

  5. […] 遅まきながらtwitter始めました。アカウントはYam_eye。マリコさんの結婚式ハッシュタグで、みんなが盛り上がっているのを見てつい。 […]

  6. […] ユニボディと言われるMacBook ProやAirは、アルミニウムの固まりから削って

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